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NOTICE PC PS4 2020/06/05 21:05

蛇のクレードル:Part.1(スルト)


占いの盃は沈黙したままだった。
パチパチと音を立てる石炭の呟きから少しでもメッセージを聞き取ろうとしていたスルトから、
大きなため息が漏れた。ここ最近、彼はまだ自分が弱くて無力だった幼い頃の辛い夢に悩まされていた。
不安な気持ちに幾度となく目を覚ました。そして今日、彼は炎と話すべく秘密の聖域へと足を踏み入れた。
しかし、炎が応えることはなかった。

炎を乱すようなことはしたくないと洞窟を後にしたファイアスターターの一員は、
車両に乗り込みキャンプへと足を向けた。車両に追いつこうと足搔く風の轟音の中にさえ
僅かな癒しを求めたスルトだったが、不安は募る一方だった。

スルトの不安が治まったのは、焼け付く太陽に焦がされた石ではなく、
赤やオレンジの骨で飾られたテントに囲まれた時だった。

炎と精神。その二つが結び付く時、新たな魂が創造される。

一人の仲間が慌てた様子でスルトのもとを訪れ、緊張した面持ちで手短に告げた。

— 兄弟よ、村から長老がお見えだ。君に会いたがっている。

外交や世事とは無縁のスルトは、重要人物、特にオデオン本人の使者に尋ねられることなど滅多になかった。

— …すぐに向かう。

キャンプの中心で高くそびえ立つ尖ったテントへと急いだスルトは、
刺繍が施された天蓋をくぐって香の匂いが充満する小さな部屋に入った。
そして、髪を三つ編みにした背の高い長老がスルトの方に振り返った。

— 座りなさい、スルト。お前には重要な任務を頼みたくてな。

滑らかな絨毯の上に長老と共に腰を下ろしたスルトは、習わしに従い暖炉の火に少しの間手を近づけた。
そして、長老が再び口を開いた。

— オデオンに不穏な知らせを届けに来た使者たちが村より到着した。
彼女は使者たちに同意の判を送り、我々に命令を下したのだ。
お前は使者たちと忠実に行動を共にし、来る苦難を彼らに警告せねばならぬ。

— 苦難?戦争が起ころうとしているのですか?

— いや、戦争よりも遥かに恐ろしいことかもしれんのだ、スルトよ。
使者と言葉を交わし、可能な限りの友好関係を築くのだ。
彼らが持っている情報が…いつか役に立つかもしれぬ。

— 炎の子たちのためならどんなことでもします。
しかし…なぜ私なのですか?交渉など得意ではありません...。

長老の口元に小さな笑みが浮かんだ。

— いずれ分かる。さあ、行くがよい。

深い心情を抱きながらもスルトはテントを後にした。使者たちとの対面を躊躇ってはいけないと思いながらも、
先ほどの出来事を頭の中で整理しながら車両へと向かった。これほどの大役にオデオンが彼を選んだ理由が、
このファイアスターターの一員には分からなかった...。
しかし、使者たちが目の前に現れた時、彼が抱えていたすべての疑問は拭い去られた。

彼らのアーマーを見た途端、スルトの心は喜びに震えた。

間違いない。お前たちはいつだって俺の兄弟なんだ。

スルトは衝動を抑えずに笑い、嬉しそうに手を振った。

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