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NOTICE PC PS 2020/04/27 22:20

解放の賛歌:Part.2



この辺りの地域のことはよく知っている。他の探検家たちと何度も訪れたからだ。
住民たちと友好的な関係を築き、彼らに起こった出来事をいつでも聞けるよう準備しておくことが最も信頼できる情報を得るための鍵だ。

知っていた近道を使ってなんとかレイヴンに追いつき、彼らとほぼ同時にターミナル-45に到着した。
最初に私を迎えたのは静けさだった。そこには銃声も悲鳴もエンジンの轟音もなかったのだ…。

しかし状況は一転した。少し前まで人気がなく何の音もなかったかつての停泊所が、一瞬にして歓喜の叫びで満たされたのだ。
外見の異なる様々なコンテナが並ぶその居住地に近づくと、その賑やかな光景に驚かされた。
陽気な騒ぎ声はここから聞こえていたのだ。
数分後、それらの騒ぎ声は2つの小さなバイオリンが奏でる繊細な曲と混じりあった。
泣くようなバイオリンの音色を私が最後に聞いたのは、何年も前の遠い子どもの頃だった...。

ターミナルにいた我々の仲間とレイヴンは共にご馳走を楽しんでいた。
そして、その場所は笑顔と笑い声に包まれていた。
何年も地下に閉じこもっていた人が初めて外の世界を見たかのように、私は彼らの姿を凝視した。
きっとおかしな奴だと思われただろう。

そこには連れ去られた子どもたちの姿もあった。
レイヴンの鮮やかな服を着せられ、疲れ切った様子の子どもたちは我々の仲間に囲まれていた。
可哀想だが、皆無傷だった。

私の混乱した顔を見たターミナルのリーダーが、2人きりで話すことを提案してくれた。
皆がいる場所から少し離れた後、私は味方に裏切られる可能性があると分かった上で、この場所に現れた理由を彼に話した。
リーダーは真剣に私の話に耳を傾けた後、少し笑みを浮かべ、今度は自身が話し始めた。
しかし、彼が教えてくれた多くの内容はすでに知っているものだった。
私の物語をより丁寧に話してくれたようなものだった。

ここ数カ月、居住地Tは大きなレイダーの集団と交戦していた。
ターミナル-45には憂慮すべき報告が複数届いたが、戒厳令のせいで誰も力を貸すことができなかった。
見放されたTの住民は子どもたちを近くのバンカーに避難させ、自ら戦闘に参加した。
しかし残念ながら、その戦闘が彼らの最後となってしまった。

捕食鳥はいつも戦場に群がる。警告を聞いたレイヴンも住民を救おうとしたが、私と同じく一足遅かった。
自由の民は決して高潔な旅人とは呼べないが、彼らは無防備な子どもを餓死させたりはしない。
生存者を連れたレイヴンは、子どもたちを守り、尚且つ味方を見つけることができるターミナルへとやって来たのだ。

私が知っている限り、現在レイヴンは西へ向かっている。
きわめて高価なシルクのスカーフがなびく音や激しい交戦による傷跡、盗難に遭ったキャラバンのうめき声など、彼らの位置を見つけるのは簡単だ。
だが、レイヴンが容易に人の命を奪うことは決してない。

それだけが彼らの良いところだ。

Part.1は「こちら
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